アニマルコミュニケーション 6の【註】 あさひとおらく

=あさひのこと=

 

今のおらくが、死んだ初代猫あさひと

時々話しているかという

アニマルコミュニケーション6」での私の質問は、

私としては、「おらくは何が食べたい?」と尋ねるのと同じ

リアルな質問の一つにすぎないのだけれど、

 

質問の性質上やや突飛かもしれないので

内容を軽く補足しようと思・・・・ったら、

詳しめに書くことになってしまった。

 

私にとって今なおリアルなあさひと

おらくのことを、書いておきたい。

 

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【あさひ色のあさひ】

あさひは、私の初代猫。

薄めの茶トラにところどころ白、長しっぽという、

おらくとほぼ同じ姿。

 

生後半年ほどのところを拾った方から、いただいた。

明日猫つれて来る、と聞いた途端に、

なぜか名前は「あさひ」だ、と浮かんだ。

あさひ色のあさひがやってきた。

 

先天性の心臓の持病(心筋症)があったようで、

半年ほどうちで暮らして、

1歳ちょっとの若さで、あっさり逝ってしまった。

 <あさひ先輩>

 

 

【リアルを超えた、超リアル】

アカシックリーディングの練習をする人たちが集まって、

二人組でお互いに相手をクライアントとして読み合う

ということを続けていた頃、

動物の方が純粋だから読みやすい、というプロの方に

お相手してもらったことがある。

 

つまり、読み合う練習のため、私のほうは

その方自身のアカシックレコードのリーディングをしたが、

その人には、私のではなく猫のアカシックレコード

読んでもらうことにした、というわけだ。

人と同様に、その動物の情報自体を

読み取って伝えてもらうというスタイル。

 

私が

「今、うちには2匹いるんですけどー・・・」

と始めると、すぐに

「ん?2匹?・・・もう1匹いません?」

と言われた。

そのとおり! 腑に落ちる "見え方" だった。

 

例えば、夜、帰宅して玄関に入ってすぐの暗がりの中、

足元にしゅるん、と長い尻尾が見え、

おらくが出迎えに来たかと思って電気をつけても姿は無く、

ん?と探すと、本人(本体?)は奥の部屋で寝ていた、

というようなことがあった。

その時には、一緒に帰ってきた同居人も同じ様に感じ取っていた。

 

リーディングによると、

あさひは短命の猫人生を繰り返しながら経験を重ねているらしい。

2008年7月に1歳で逝ってから

10年ちょっとのうちに短いネコ人生を1度終え、

2020年にリーディングしていただいたその時には

もう2度目の転生をしており、

どこかの誰かのところで、平和に暮らしているようだった。

 

私がおらくを見つけた時、

「あさひちゃんの生まれ変わりかと思うような

とても運命的なものを感じたでしょう?」と言われた。

 

 

【おらくが舞い降りた】

そうです。

2010年、新居に引っ越してからまだ半月足らずの頃、

ふだん歩かない道を通っての帰宅中、

車の騒音と梅雨の雨音に混じって、子猫の声が聞こえた。

あさひが逝ったのと同じ7月に、

あさひと同じ姿の猫♀が、

あさひとの時間を別の時間軸でやり直してくれるかのように、

私のところにやってきた。

 

でもその人の説明では、

その時は既にあさひは別の転生をしていて、

あさひ自身が私のところに来るには

タイミングが合わなかったので、

 

私が今だに寂しがってるから、

あんた行ってやってちょうだい

と、あさひが同じ魂グループのおらくの魂と話し合って、

あさひが差し向けてくれたと「わかる形」で、

おらくは私の前に現れた、のだって。

 

おらくの魂はそのために

私に「わかる形」として、

あさひと同じコスチューム(笑)で、

ある意味、奇妙な状況の中、

ぽこんと私の前に現れたのだった。

 

野良猫なんて最もいそうにない、

博多で一番大きな車道沿い、立ち並ぶ大きなビルの前、

コンクリートだらけの一角の

狭い狭い隙間で雨を避けながら、

まだ母猫と一緒にいて当然の小ささの子猫が

1匹だけで、母親を探して鳴いていた。

 

カラスがふざけて子猫をくわえて飛んでポイ、と

捨てるようなこともあるらしい。

とにかく、もはや誰にも真相はわからない

不自然な不自然なプロセスをくぐって、

とにかく、おらくは私の目の前にちょこんと現れた。

 

 

【あさひの一炊の夢】

あさひは、私と遊んだ時の楽しさを覚えていて

今の暮らしの、昼寝の最中などに

時々私のところに遊びに来ている、と

リーディングしてくれた人は言う。

私の視野をしゅるりと横切ったのは、そのあさひだ。

 

たしかに、あさひと私は、部屋の中で毎日

楽しさMAXで、一緒に走り回って遊んだ。

 

全速力でコーフンして走りながら

急に方向転換したあさひは、

すぐ後ろを追いかけて走ってくる

私の足と正面衝突してしまった。

走る私が上げた足の裏側、指の付け根のあたりと、

あさひの額がぶつかった。

トン!と音がするくらいの衝撃を受けて、

あさひは毛の流れを歪めたまま、しばらく

ソファの横にうずくまっていた。

やれやれ、全力で遊ぶとこういうことにもなった。

 

あさひは、ほんとうにアタマのよい猫で、

私と猫じゃらしで遊んでいて、勢い余って

長く強い尻尾でコタツの上のお茶を

ひっくり返してしまった時には、

お茶がこぼれて私がハッ!とした次の瞬間、

叱られる前にと、素早く近くのソファの陰に身を隠した。

しかもその一瞬のうちに、こちらに一歩近づいてまで、

私が無意識に手放した猫じゃらしをさっとくわえてから

身を翻して避難。

猫じゃらしはポトっと足元に置いた上で、

ソファの陰からこっちを覗き見て、私の様子をうかがうという

見事な最善の判断で、

大事な猫じゃらしを失うことなく

自分の身を守ったのだった。

 

始めからべつに叱る気など無かったが、

あの瞬時の判断に私はシビレて、愉快に声を立てて笑った。

 

その頃使っていた一番おもしろかった "おもちゃ" と一緒に、

今のあさひは楽しさを覚えているらしい。

「なんか、ピンクの布で、こう、細長〜〜くって・・・」と、

リーダーの方が形状を詳しく伝えてくださったとおり、

私たちがサイコーにもりあがったおもちゃは、

私が着物を脱いだあとしばらくその辺に放っておくのが常の、

腰ヒモだった。

 

あさひは自分からそのヒモをくわえて走ってもいた。

ヒモの面白さに味をしめたのか、

私が三味線を弾き始めると、必ずと言ってよいほど

赤い腰巻のヒモ部分をくわえて

右へ左へと走り始めるので、

長唄の三味線にのせて、よく目の前を赤い布がバサバサ

流れ続けていたものだ。

 

あの、ほんの短い永遠の楽しさを、

あさひが今も記憶してくれていると

三者が  "見て"  教えてくれたのは、実に、

私の中にしかないと思っていた鮮やかな場面が

急に世界に認められたようで面映く、また

ね、そんなに寂しがらなくてもよかったでしょう、

と言ってもらえたようでもあり、

なんとも急に起きた、ありがたいことだった。

 

それに、どこのどなたかわからない今の飼い主さんのお宅を

夢の中で抜け出しては時々来てくれているなんて、

なんだか、飼い主さんには失礼ですけど、

ちょっと自慢したいような気分でもある。

 

 

【心筋症】

心筋症というのは、急に発症する病気だと病院で説明された。

ヒトの心筋症もまったく同じ理屈だ。

 

心臓が血液をうまく規則正しく送り出せないことで

心臓内に一部の血液が逆流するような形で

回っているうちに濃くなって血栓を作ってしまう。

 

それが心臓の中にあるうちはよいのだけれど、

血管に流れ出てしまうと、どこか血管の細くなったところで

詰まりを起こしてしまう。

あさひの場合は、血栓が詰まったのは

大きい動脈が後脚と尻尾との3方向に分かれるために

少し細くなっているところだった。

 

発症する前日の夜、あさひは

ひとりで机の上で遊んでいて少し後ずさりした時に

ドサッと不恰好に床に滑り落ちた。

「あんた猫のくせに、どーしたトね?」

と言った記憶がある。

あの時で既に、机の縁がどこまでなのか

感じとれないほどに

後ろ足は痺れていたのかもしれない。

 

 

【最後のニャー】

その日は用事があって一旦、数時間留守にした。

その間に発症していた。

私が帰宅してドアを開けた瞬間

一声だけ、不穏な声で私を呼んだ後、

今度は、あさひ、と呼んでも返事をしないので

焦って部屋中を見回した。

もう両足が萎えて立たなくなっていて、おしっこが漏れた位置から、

前足だけで這って私のほうに少し進もうとしているのを見つけて、

ワケがわからないまま病院に走った。

 

その場面をリーディングしている間、リーダーさんが何度も

「その時あさひちゃんが、一声、小さく鳴いたの、覚えてますか?」と言う。

帰宅した瞬間に大きく、ンギャオ!と呼ばれた、と伝えても、

それではない、とはっきりおっしゃる。

「その後、もう一度小さい声で鳴いたはずです」と。

 

完全に動転していた記憶の中には、

残念ながらその声は残ってないんだなぁ。

「さちよさんに、”お帰り” と言って、もう一度撫でてもらうために、

小さい声で一度、ニャーって言ったはずです」

 

この人の確信をもった言葉は、

私自身が10年近く後にしゅるん、と感じ取った暗闇の中の

リアルな尻尾の影としっかりつながっている。

あの、前足だけで這って私の方に近づこうとしていた時の

あさひの顔つきとも重ねて、

心をもって撫でてもらうことが猫にとってどれだけ大事なことなのか、

私は心に刻んだつもりだ。

 

 

【おらくとあさひ】

おらくの「らく」は、「落陽」の「落」だ。

拾った頃には、夕陽が差し込む私の新居を既に

「落陽楼(マンションの一室だけど)」と名づけていたので、

新しい生活と共にやってきた猫にふさわしいと思い、

さらりと名付けた。

 あさひの名も、おらくの名も、直感的、瞬間的に

思いついただけだったけれど、考えてみれば、

朝な夕なに私を照らしてくれる

2つの太陽であった。

   

 

朝陽色と夕陽色の猫たち姉妹は、

こんなにもつながり深くリアルな、

愛おしい私の女神たちだ。

 

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