【過去生メモ】過敏な御者の無表情

急に、なんだか過去生の情景が出てきた。

唐突な言い方ですけど。

心を落ち着け、アカシャとつながる呼吸などをしていたら。

 

こういうことは初めてだ。

メモっとこ φ(.. )メモメモ

 

【わたし、御者でした。】

馬車正面の、ちょっと左寄りに腰掛けて

ガタガタ揺られながら黙々と走らせている。

 

馬車は、なんていうのかしら、幌馬車じゃなくて、

もうすこしがっしり箱状になってる感じの。

ちょっと黒っぽく装飾のついた感じの。

中は密室、御者は外。という感じの。

 

三頭並んだ(その前に更に二頭かそれ以上いる感じもある)

芦毛の馬たちの尻を見ながら、

ほんの時々長いムチをただ触れる程度に打ち、

やたら冷たい風と、

駆ける馬たちの蹄が飛ばしてくる砂つぶや泥を顔や体に受けつつ。

 

それが肉体的に大変そうだと見る人もいるけれど、

そこには、さほど辛さは感じない。

 

働く時間が長いほど、一人で内面を見つめる時間が過ごせるので

実はこの仕事は性に合っている、と感じている西欧の男性。

痩せ型の。メガネの。帽子かぶって。

シューベルト肖像画みたいな顔。

18世紀終わりころのような気がする。

  f:id:Sachi_de_Saint_Phalle:20200904194230j:plain

シューベルトの絵を見ながら描きました。こんな顔。もすこし細身。画力及ばず。

 

妻子はいるけれど、べつに。

何を言われたわけでもないけれど、疎外感を持っている。

大事にしているのは、おじいちゃんからもらった小ぶりの懐中時計。

とても大事なもの。

ポケットの中で時計を触る、そこだけが今も続く

安心できるふれあいの場。

とてもすべらかな触り心地。

 

じいちゃんとは意思疎通ができていて、

その幼い頃の記憶だけが、リアルな人間関係と言ってもよい。

 

酒はそんなに飲まない。

暖かいお茶で体を温めて、それで終わり。

 

客は、自分より身分の高いやつらばっかで、

馬車の箱の中での話題は、なんとなくわかってしまう。

なんのシンパシーも感じない。

 

そいつらと一緒にいるときは、自分にも周囲はへこへこする。

一人になると、周囲はそうでなくなる。

なんとなく人の心が透けて見えてしまう。

「どうせ」に行き着く。

 

目的地まで客を送り届けると、

馬たちを休ませる専用の厩舎に預ける。

いつもその厩舎まで行くと、そこに暮らして

管理している家族の様子がちらりと見える。

粗末だが明るいピンクのドレスを着ている幼い女の子の姿とか。

それが何か羨ましい、自分では諦めている団欒の姿。

 

何も大きな悲劇は起きていないのに、

いつも、いつからかずっと、悲しい。

 

この感覚、現生の私と同じ意識だ。

f:id:Sachi_de_Saint_Phalle:20200914000022j:plainf:id:Sachi_de_Saint_Phalle:20200914000650j:plainf:id:Sachi_de_Saint_Phalle:20200914010423j:plain

なんで今出てきたんだろう、この人が。

 

【無意識×無意識】

過去生を見ると、実にはっきり今の自分と同じパターンの部分が見える。 

今その過去生が出て来たのは、

今の私に必要なことに気づかせるためだ。

 

シューベルト似の彼は、無意識に感じ取っていたんだろう。

周囲の、その人たち自身も無意識なままの、心のヒダを。

無意識の狭間のヒダは、増幅してかぶさってくる。

 

【疎外感のカラクリ】

穏やかな空気の中にいると、ひっそり人一倍楽しい。

でもそこにいる人たちは自分ほど楽しそうなわけでもなくて、なんとなく拍子抜けしてしまう。

 

そのギャップは、やがて

この人たちには何かどこかに、自分といるよりもっと楽しいことがあるのだろう、

という疎外感になってゆく。

f:id:Sachi_de_Saint_Phalle:20200914001936j:plain

 

この疎外感のカラクリは、彼の心の中を見つめていて得た

いちばんの収穫かもしれない。

 

なんで私は、友達と会ってしゃべっている間、

その話題や状況なんてべつに、

そこまで魅力的かと言われるとそうでもなかったりするのに、

その人たちの、私の思うある一定の間隔をもってまた次に会おうとしない感じが

こんなふうに一人勝手に寂しいのか。

 

しかも恐らくは、その人たちにしてみれば次にもまた会うつもりはあって、

でも次までの間隔が私の思うそれとは違う、という程度であるだけの可能性も高いのに、

そう理屈で考えても、

自分の中でもよくつきとめきれない茫漠とした感情は、いつもあった。

 

でも、なんか腑に落ちた。

人一倍ひっそりと嬉しかったのだ。

 

自分の感覚だけを眺めていては

我ながら照れるだけだったりするけれども、どうも

御者の感覚を通して客観的に見ると、そういうことらしい。

 

【無表情のしくみ】

シューベルト似は逆に、

周囲の空気に恐れのようなものが少しでも入ると

発信源の存在はわからないままに

その不快さゆえに、不安になるやらイラつくやらしてしまう。

 

結果的には、実際には何も起きていない何かに過敏になって、

ひとりで疲れてしまう。諦める。

気難しいと思われる。また諦める。

なんとなく自分が悪いのだろう、

というところにいきつく。

 

だから彼は、心を閉ざして感情の起伏をできるだけ無くし、

淡々と生きていたのだ。

シューベルト肖像画みたいに、表情を動かさず。

f:id:Sachi_de_Saint_Phalle:20200914013521j:plain

シューベルトさんご本人(ウィキべディアより)


【察知能力:アリ】 

私もそうだ。

わかってしまっていたなー、

親の小さな正義感とか。狭い視野とか。

周囲の人たちの無意識部分の本質とか。

 

その人たちの愛すべきささやかな取り柄と、情けなく貧相な心配の核が。

だから見捨てるわけにもいかず、同時に、これ以上の居心地の悪さを知らない。

 

f:id:Sachi_de_Saint_Phalle:20200914011338j:plain

彼らは、怖いだけだったのだ。

集団からはみ出してしまうことが。

それが我が子であれ、自分であれ。

 

彼らの奥底に沈んだ恐れは、

理屈だらけの言葉となって、

アンタのためにならないからそれはやめろとか

オマエのことが心配だから言ってるのにわからんのかとか

なんとかかんとか

ごりごり、ぐだぐだ、子供の領域を侵してくることになる。

 

【理解力:ナシ】

型で押したような理屈ゴリ押しの彼らは無意識だが、

それは実は屁理屈だ、というところまではわかっていたなぁ。

 

けれど、如何せん、

彼らの奥底を震源地とする「恐れ」を自分が感じ取っているという自覚が、

持ててないんだよ。

 

ごりごりぶつけられ続ける非難の言葉を聞き流す性格もなし、

彼らのキャパを理解してやれる心の広さも持ち合わせず、

味方もいない。

 

圧倒的な孤独の中で、

整合性を求めて全身でアタマを働かせ、

「この親は、私のことより自分たちのことの方が大事な人たちなのだ」

と解釈するようになった。

のだろう。

f:id:Sachi_de_Saint_Phalle:20200914011717j:plain

ある意味、事実だったのだけれど。

実際にはふつうの親子として愛されていた部分までも、

そこで吹っ飛んでしまったのだろう。

 

 こうして

「愛されていない」私の宇宙の大前提はできあがってゆく。

 

【それもこれも、ブループリント】

つべこべ言うても、つまりは

矮小なキャパシティの人たちと近くに居合わせる

という体験の青写真を、生まれる前から決めて

選ぶ決意どおりに進んできてるのよなぁ〜、

私も。御者の彼も。

 

あ〜そのことを彼にも伝えることができたら、

彼の虚しさはもう少し軽いもので済んだかもしれない。

 

彼は芦毛の馬たちに、余計なムチをあてていない。

馬たちの感覚がわかっていたから、時々ふれる程度で

はじめから微調整ができていたのだ。

 

それも彼の敏感さゆえのことだったのに、それを長所だと感じる自覚もできず

過敏な不快感を避けて一人で生きた。

 

今、伝えてあげよう。

腹のなかでつながって。

 

そしたら私につながる彼の波長が少しだけ軽くなって、

きっとそれは、今の私をも軽くしてくれる。

f:id:Sachi_de_Saint_Phalle:20200914012438j:plain

そんな感じの、過去生による良い気づきでした。

ありがとう、シューベルト似のわたし。